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No.5
リトル・ダンサー(Billy Elliot) 2000/英
製作 グレッグ・ブレンマン / ジョナサン・フィン
監督 スティーブン・ダルドリー
脚本 リー・ホール
撮影 ブライアン・テュファーノ
音楽 スティーブン・ウォーベック
出演 ジェイミー・ベル / ジュリー・ウォルターズ / ゲイリー・ルイス / ジェイミー・ドレイブン / ジーン・ヘイウッド / スチュアート・ウェルズ

イギリス映画
この映画の原題は「Billy Elliot」です。なぜこれが、邦題では「リトル・ダンサー」になったのでしょう? 1984年のイギリス北部の炭鉱町が舞台で、男たるものたくましく強い仕事をしなくてはならないという信条の父親と兄、そんな家族の中で生活する少年が主人公です。映画館で見ることが出来なかったので、DVDで初めて見ました。最初、男の子がクラシックバレエ?と思っていたのですが・・・どんどんドラマに引き込まれていきます。
CDサイズのパッケージ
最近は、少なくなったCDサイズのパッケージです。購入当初、おまけがついてました。最近DVDでは、トールケースに統一するような感じですね。一度CDサイズで出たものが、再販ではトールケースになっています。一時期は、両方のケースで発売されていたタイトルもありました。あの時期は、消費者の動向を見ていたのですね。値段は4,700円と少し高めです。
本編(約111分)と、映画の背景などがよくわかる構成のメイキングが収録されています。
男が働くということ
イギリス北部の炭鉱町で、男が汗をかくということは、たとえ子供でも男らしいものでなければいけない。そんな古い感覚の町で起きた家族の物語です。この映画は、単に父と子の愛情のお話というとらえ方が出来るのですが、そこは、ハリウッド映画ではないだけに、物語にはかなり複雑な当時の歴史的背景がからんでいます。この映画は、炭坑夫である父と兄のストライキというのが、主人公との話と交差しながら描かれています。その二つのストーリーが父の心境の変化から一つになっていきます。
そんな生活環境のなか、 生活に暗くなったストの町に生活する子供達はというといたって明るく元気に描写されて、大人とのコントラストがとても見事です。
この映画を見ていると、子供の才能を見抜く事が必要だと考えさせられます。子供は、自分の思うように育ってくれない、育ってくれないからと自分の考えを押し付けてはいけない。そんな父親の葛藤も見事描かれています。私も人を教える機会があるので、人の才能を伸ばしたり見つけたりするのは、大変だというのを実感しています。
また、主人公の友達で将来ゲイになる設定の少年も出てきます。まさしく、男の仕事というのが多様化する時期のお話なのですね。日本人の親にも見ていただきたいです。
この映画は、時間と時間のカット割りがとてもテンポ良く展開されます。 特に1時間3分位の、夏から冬にかけてのシーケンスは、とても切なく見事です。時間の経過を、こんな切なくスムーズなカット割りで見たことがありません。
評価
ハリウッド映画は、ちょっともうお腹いっぱいと言う人にお勧めです。ランクAです。